ライブ配信が新たな交流の形として広がる一方で、自分が配信者側になることにはハードルを感じている人も少なくないのではないでしょうか。
株式会社マシェバラトークが運営するオウンドメディア『マシェラボ』( https://machetalk.jp/media/ )編集部は、日本全国の15歳~59歳の男女492名を対象に、ライブ配信の実施に関する意識調査を実施しました。
今回の調査で明らかになった主な結果は、以下の通りです。
- 10代・20代の半数以上が配信に意欲的
- 配信を始めない理由は「話すネタがない」「やり方が難しそう」が3割超で上位
- 女性は男性の2倍以上「プライバシーが心配」と回答、安全性の意識が高い
本リリースでは、これらの結果を手がかりに、配信初心者が感じる不安を乗り越えるポイントや、安心して一歩を踏み出すヒントを探ります。
主な調査結果
1.「自分もライブ配信してみたい」、10~20代の半数以上が前向きな回答
ライブ配信を自分で配信することについて質問したところ、回答者全体では約3人に1人がライブ配信に前向きな姿勢を示していることがわかりました。さらに年代別に分析すると、若い世代ほど配信への関心が高く、年代が上がるにつれて慎重になるという世代ギャップが浮き彫りになりました。
まずは、回答者全体の結果を示したグラフです。

全体では自分でライブ配信を行うことに前向きな回答をしたのは31.9%(「すでにしている(4.9%)/とてもしてみたい(14.6%)/少ししてみたい(12.4%)」の合計)で、ライブ配信への興味が広がりを見せていることがわかります。一方で、46.7%が「全くしたくない」と回答しており、配信に対する意識は二極化している状況です。
年代別に集計すると、若い世代ほど配信への意欲が高いという顕著な傾向が見られます。

10代では64.1%、20代では54.7%が配信に意欲を示しており、若い世代では過半数がライブ配信を自分で行うことに興味を持っています。特に20代で「とてもしてみたい」と回答した人が26.8%と他の年代を大きく上回っており、最も積極的な世代であることがわかります。一方、30代では31.7%、40代では20.8%、50代では16.2%と、年代が上がるにつれてライブ配信することへの関心は大幅に低下していきます。
この結果は、デジタルネイティブ世代とそれ以外の世代との間で、新しいコミュニケーション手段に対する受容度に大きな差があることを物語っています。若い世代にとってライブ配信は身近な表現手段として捉えられている一方、年代が上がるほど距離を置く傾向が強まるようです。
2.なぜ始めない?「話すネタがない」「やり方が難しそう」が最大の壁
前章の結果からは、ライブ配信をすることに興味を持つ人が多い一方で、実際に始めている人はごく一部にとどまっていることがうかがえます。
そこで、ライブ配信に興味を持ちながらも実際には始めていない人に、その理由について質問したところ、話すネタや操作方法などの実用的な知識不足が大きな障壁となっていることが明らかになりました。

最も多かった回答は「何を話せばいいかわからないから」で38.4%、続いて「技術的に難しそうだから」が37.9%となり、この2つが圧倒的に高い割合を占めました。3位は「見てくれる人がいなそうだから」で31.1%、4位は「恥ずかしいから」で24.3%という結果でした。
注目されるのは、「恥ずかしいから」といった心理的な壁よりも、「話すネタがない」「やり方が難しそう」といった実用的で具体的な課題の方が上位に来ている点です。多くの人が配信に対する心理的な抵抗感をそれほど感じておらず、具体的な方法や材料が整えば、配信を始める可能性があると考えられます。
3.女性は男性の2倍以上「プライバシーが心配」、配信への不安に男女差
前章では配信を始めていない理由の全体傾向を見てきましたが、この結果を男女別に分析すると、配信に対する不安の種類や程度における男女差が見えてきました。最も大きな差となったのはプライバシーへの懸念で、女性は男性の2倍以上という結果となっています。

男女ともに「何を話せばいいかわからない」と「技術的に難しそう」が上位を占めましたが、1位の項目に違いが見られました。男性では「技術的に難しそうだから」が39.6%、女性では「何を話せばいいかわからないから」が43.4%で、それぞれ1位となっています。
最も大きな男女差が見られたのは「プライバシーが心配だから」で、女性が23.7%に対し男性は9.9%と、女性が男性の約2.4倍の高さとなりました。また、「見てくれる人がいなそうだから」でも女性が35.5%、男性が27.7%で女性の方が7.8ポイント高く、女性の方が視聴者の存在をより気にする傾向が見られます。
これらの結果は、女性が配信を始める上で、男性以上に「安心して配信できる環境」への要求が高いことを示しています。プライバシーの保護はもちろん、適切な視聴者の確保や配信内容のサポートなど、包括的な環境整備が女性の配信参加を促進する鍵となるといえそうです。
4.配信に求める安心できる環境、「プライバシー保護」と「個人情報対策」が上位
これまでの調査で、ライブ配信への様々な不安や壁が明らかになりましたが、では実際に配信を行う際に、どのような環境があれば安心して配信できるのでしょうか。ライブ配信者にとって必要な環境について聞いたところ、プライバシーや個人情報の保護に関する項目が上位を占める結果となりました。

最も多かった回答は「プライバシーが保護される仕組み」で35.4%、続いて「個人情報の漏洩防止対策」が34.6%となり、この2つがほぼ同じ割合で最上位を占めました。3位は「荒らしやハラスメント対策」で31.9%、4位は「身元確認された視聴者のみの環境」で16.5%、5位は「緊急時の即座な配信停止機能」で15.7%という結果でした。
この結果から、配信者が求める「安心できる環境」とは、特に個人情報の保護や、悪意のあるユーザーからの防御といった、具体的なリスク対策を重視する傾向があることがうかがえます。
まとめ:安心できる環境づくりから広がる、新しいデジタルコミュニケーションの可能性
今回の調査から、ライブ配信への関心には明確な世代差があることが分かりました。若い世代ほど配信に興味を持っており、年齢が上がるほど関心が薄れていく傾向が見られます。しかし、若い世代でも実際に配信を始めている人はわずかで、「興味があっても行動に移せない」という状況があるようです。
配信を始めない理由として最も多かったのは「何を話せばいいか分からない」「やり方が難しそう」といった実用的な悩みでした。また、女性は男性よりもプライバシーや安全面への不安が強く、安心して配信できる環境を特に重視していることも明らかになっています。
これらの結果を総合すると、ライブ配信の普及には「安心感」の醸成が不可欠であることが見えてきます。そして、その「安心感」とは、「個人情報が守られる」「誹謗中傷から保護される」といった、具体的な安全対策によってもたらされるものです。プライバシー保護やハラスメント対策といった基盤的な環境が整備されることで、多くの人がより自由に自己表現を楽しめる、新しいコミュニケーションの可能性が広がっていくでしょう。
調査の実施概要
調査機関 :自社調査
調査方法 :インターネット調査(株式会社ジャストシステム「Fastask」)
対象エリア:日本全国
対象者 :15歳~59歳の男女
調査期間 :2024年6月16日~2024年6月23日
有効回答 :492名※
※性別・年齢層の人口分布を考慮したサンプリング
設問内容
- あなたは自分でライブ配信をしてみたいと思いますか?
- ライブ配信を始めていない理由は何ですか?当てはまるものを最大3つまで選んでください。
- ライブ配信者にとって、どのような環境があれば安心・安全に配信できると思いますか?当てはまるものを最大3つまで選んでください。